羽生善治名人(38)への挑戦権を争う第68期将棋名人戦・A級順位戦は1回戦が終了した。前期名人戦で敗れた郷田真隆九段は藤井猛九段に勝って、リターンマッチに向け幸先よいスタートを切った。参加10人の顔ぶれと各自の抱負を紹介する(肩書・段位は4日時点)。(村上耕司、村瀬信也)
■一からやり直し 郷田真隆九段(38)
「一からやり直しという感じ。前期は課題の後手番で勝てたのが好成績につながった。目の前の一局に全力で臨みたい」。5期連続通算7期目。前期7勝2敗。
■心技体、充実させ 佐藤康光九段(39)
「昨年度は無冠になったので、新しいスタートだと思っている。順位戦は1年トータルの戦い。心技体を充実させ臨む」。名人2期を含め連続14期目。前期6勝3敗。
■終盤、高い精度で 森内俊之九段(38)
「前期は終盤にミスが多かったのが挑戦者争いに絡めなかった原因。終盤の精度を高め、出遅れないようにしたい」。名人5期を含め連続15期目。前期5勝4敗。
■頑張るしかない 丸山忠久九段(38)
「前期は途中で連敗(4連敗)して大変だった。調子の波は1年を通じてどうしてもある。正直頑張っていくしかない」。名人2期を含め連続12期目。前期5勝4敗。
■まず残留目指す 木村一基八段(36)
「A級はちょっと調子を崩すと降級する怖いところなので、目標は残留。5勝目を挙げたら、目標を挑戦に切り替える」。連続3期目。前期5勝4敗。
■一度は名人戦に 藤井猛九段(38)
「前期は先手でもっと勝てれば挑戦権争いに加われた。生涯一度でも名人戦に出たい。落ちる恐怖と戦いながら希望を持って戦う」。連続9期目。前期4勝5敗。
■スタートが大事 谷川浩司九段(47)
「前期は中盤で連敗し、後半は手が伸びてなかった。今期はスタートが大事。後半、上を向いて戦えるようにしたい」。名人5期を含め連続28期目。前期4勝5敗。
■一局一局に全力 三浦弘行八段(35)
「前期は後半で5連敗したが、貴重な経験をしたと考えたい。体調を整えて、目の前の一局一局に全力を尽くす」。連続9期目。前期3勝6敗。
■情熱込めて戦う 高橋道雄九段(49)
「久しぶりのA級。ありったけの情熱を込めて戦いたい。同年代の目標である谷川さんと最終戦でいい形で対決したい」。5期ぶり通算10期目。B級1組から昇級。
■40代、まだやれる 井上慶太八段(45)
「順位が一番下なので4勝しても残れるかどうかだが、残留したい。まだまだ40代もやれる、というところを見せたい」。11期ぶり通算3期目。B級1組から昇級。
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